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「サブスク」かと思ったら、長期間の高額な契約だった
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「サブスク」かと思ったら、長期間の高額な契約だった
2022年12月23日掲載
「月々〇〇円」、「月額〇〇円」等と表示されていたので「サブスク」かと思ったら、長期間の高額な契約でした。このような表示は問題ではありませんか。
音楽や映像配信サービス等で「サブスク」という言葉を聞くことが多くなりました。「サブスク」の正式な定義は定まっていませんが、月々一定額を支払ってサービスを利用でき、いつでもやめられる、というのが一般的なイメージではないでしょうか。
ところが、最近、「月々〇円」、「月額〇円」等、いわゆる「サブスク」を想起させる広告表示でありながら、実際にはサービス提供期間が終わった後も長期の支払いが残るローン契約であった、高額な中途解約金がかかった等の相談が増えています。
【事例1】ファッションレンタルサービス
~実際は1年間の契約を、クレジットカードで2年にわたり分割払いする契約だった~
<相談内容>
ファッションレンタルサービスのメルマガに登録していたところ「最初の2ヶ月0円キャンペーン、3ヶ月以降実質2980円/月」のメールが届きました。月額2980円で試せるなら、と思い申し込みましたが、実際には1年間の利用料7万8672円を24回の分割で支払う契約でした。契約条件が小さい文字で書かれていたため、気が付きませんでした。
<解説>
メールマガジンおよび公式サイトの表示を確認すると、このキャンペーンについて「はじめの1年間 初回0円+2ヵ月目0円+3ヵ月目以降2980円/月」を強調していました。ところが、実際は1年契約で、支払総額は税抜7万1520円(税込7万8672円)であることや「3ヵ月目以降2980円/月」は、24回払いにした場合の1回分の税抜きの支払金額であることは、離れた場所に小さな文字で書かれていました。
申込画面でも、「最初の1年間 2ヵ月0円+月々2980円キャンペーン」を太字で強調する一方、契約期間、総額等、詳しい条件はその下に薄い色の小さな文字で表示されており、きわめて視認性が悪いものでした。支払いはクレジットカードに限られ、消費者は申込画面で支払い回数を選択可能でしたが、各回の支払い額は表示されず、支払い総額も明瞭に認識することができないまま、申込ボタンを押す仕様になっていました。
この契約は割賦販売法の信用購入あっせんのうち、信販会社が発行するクレジットカードを用いる「包括信用購入あっせん」に当たります。「包括信用購入あっせん」の場合、サービス提供事業者の広告表示義務事項は定められていないとはいえ、料金表示が非常に分かりにくいものでした。
JAROでは景品表示法(以下、「景表法」という)第5条第2号(有利誤認)、消費税法第63条(総額表示)、特定商取引法(以下、「特商法」という)第12条(誇大広告等)、第14条第1項第2号(意に反する申込をさせようとする行為)に抵触するおそれがあることを指摘しました。
(当事例は2022年5月31日以前の契約)
【事例2】家電レンタルサービス
~中途解約しても残存期間の料金を支払う必要があった~
<相談内容>
SNS広告で「家電のサブスク」と表示していますが、実態はいつ中途解約しても残契約期間の分も違約金として支払わせる契約です。少額で必要な時だけ利用できると勘違いさせています。
<解説>
SNS広告では「月額780円~初期費用ゼロ サブスクで最新のおしゃれ家電をレンタル」等と表示されていました。リンク先の公式サイトで希望の商品を選択した申込画面には「契約期間5年」、「780円(税込)/月」という表示のみで、諸条件の記載はありませんでした。さらに商品をカートに入れ、個人情報やカード情報を入力した「ご注文内容最終確認」の画面に「解約違約金が発生する」旨の表示はありましたが、具体的な金額は表示されていませんでした。中途解約金の額を知るためには、サイト最下方のサービス利用規約を開き、さらにその最下部の中途解約金へのリンクを開くと、ようやく「残契約月数×月額利用料金」であることを確認することができました。
JAROでは景表法第5条第2号(有利誤認)、特商法第12条(誇大広告等)に抵触するおそれがあることを指摘しました。
(当事例は2022年5月31日以前の契約)
ふたつの事例は、役務の通信販売であり、特商法の規制も受けます。2022年6月1日に改正特商法が施行され、事業者が設定した様式にしたがって申込を行う場合、事業者は最終確認画面において契約内容を網羅的に表示する義務があります。さらに、この最終確認画面において消費者が誤認して契約を行った場合には契約を取り消すことができます。
今後は、ますます役務の通信販売が多様化し、また支払い方法も多様化することでしょう。
消費者は契約内容をしっかり確認し、ネット上で申し込む際には、最終確認画面のスクリーンショットを残しておくようにしましょう。
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