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「無料で本が出せる」とうたいながら前払金が必要な自費出版の広告は問題では?

2019年7月24日掲載

  •  自費出版を請け負うA社の新聞広告に、「あなたの作品が本になる」「無料で本が出せるチャンスがある」「毎月2冊以上」と表示されています。興味があったのでA社に説明を聞いたところ、実際は最初に出版委託金(制作費)を支払わなければならず、その中から特別企画書籍(無料出版)に選定された作品については後日、出版委託金が全額返金され、結果的に無料になるというものでした。無料で本が出せることばかり強調されていて、出版委託金を前払いすることが書かれていないのはおかしい。また、広告には「B書店、C書店に1年並びます」と表示されているが、A社から受け取った出版システムの説明書には、「全国300書店に1冊ずつ1カ月陳列」となっています。広告と説明書で陳列期間が異なるのはなぜなのでしょうか。
  •  A社に照会したところ、「『特別企画書籍』と称して、毎月2冊以上の作品を選定しています。これは、書籍が完成した段階で、著者が出版契約によって負担した出版委託金を全額返金する制度です。今後は出版委託金の支払いが発生しない段階、すなわち原稿応募時に無料で出版する作品を選定するように変更します。弊社が刊行する書籍は、『全国300書店へ1冊ずつ1カ月陳列』が原則で、『B書店、C書店に1年並びます』は一定の基準で選定された書籍に限定される」との回答がありました。
     しかしながら、「無料で本が出せるチャンスがある」という内容は、実際には特別企画書籍に選定されれば、出版委託金が全額返ってくるというものであり、当該表示は出版委託金の支払いが発生しない場合があるものと誤認させる恐れがあります。
     また、「B書店、C書店に1年並びます」とは、A社回答によれば、「一定の基準で選定された書籍に限定される」とのことであり、原則は「全国300書店へ1冊ずつ1カ月陳列」とのことでした。従って、1年間並ぶことを過大に期待させる恐れがあるため、1カ月陳列をメインにした表示にするか、または1年並ぶ場合の条件を付記することが望ましいでしょう。
     今後は、消費者の誤認を招かないよう、分かりやすさに配慮した広告・表示を行うよう提言しました。

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