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食品

機能性表示食品を飲むだけで劇的に痩せられるって本当?

2025年4月25日掲載

  • 機能性表示食品の広告に「3週間で脂肪が激減!」、「機能性ならきつい我慢なしで脂肪が落ちるって国に認められてる」、「脂肪吸引より効果大」等、太った人が短期間で劇的に痩せた漫画仕立てのストーリーや、使用前後写真が多数表示されていますが、問題ではありませんか。
  • 「機能性表示食品」とは、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、販売前に消費者庁長官に届け出れば、食品の機能性を表示することができる制度です。届出の内容は、消費者庁のウェブサイト上で公開されており、誰でも確認することができます。

    商品Aの届出表示は「本品には(機能性関与成分名)が含まれています。(機能性関与成分名)には、肥満気味な方の体重、体脂肪、血中中性脂肪、内臓脂肪、ウエストサイズの減少をサポートし、高めのBMI値の改善に役立つことが報告されています。」です。
    広告には、申立者からの指摘の他にも「(機能性関与成分名)がこびりついた脂肪を分解して燃焼を促してくれる」、「1日2粒飲むだけ。好きなものを食べながら痩せられる」、「最低10kgの減量は覚悟して」等、あたかも商品Aを摂取するだけで脂肪が減少し、劇的な痩身効果が得られるかのような、届出表示を逸脱した表示が多数見られました。

    ヒトが口から摂取するものは、「医薬品・医薬部外品・再生医療等製品」と「食品」とに大別されます。「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(昭和46年6月1日厚生省薬務局長通知:通称46通知)に「医薬品の範囲に関する基準」が示されています。機能性表示食品は「原則として、通常人が医薬品としての目的を有するものであると認識しないものと判断して差し支えない」とされていますので、ただちに医薬品医療機器等法違反品である「無承認医薬品」とはみなされません。とはいえ、届出表示を逸脱した医薬品的な効能効果の表示は、医薬品医療機器等法の趣旨を鑑みれば問題があると考えるべきです。

    加えて、商品Aを摂取するだけで脂肪が減少し、劇的な痩身効果が得られるかのような表示に裏付けとなる合理的な根拠を有していない場合は、景品表示法第5条第1号(優良誤認表示)、および健康増進法第65条第1項(誇大表示)にも抵触するおそれがあります。この商品は、「臨床試験済み」と表示していましたが、機能性関与成分での試験であり、この商品自体で臨床試験を行ったわけではありませんでした。

    広告は、バナー広告 → 中間ランディングページ → 販売サイトへとリンクでつながっており、主に中間ランディングページに問題のある表示がみられました。広告主によると、中間ランディングページはアフィリエイトサービスプロバイダー(ASP)に広告を依頼し、アフィリエイターが作成したとのことでした。

    アフィリエイターが運営するバナー広告や中間ランディングページは、閲覧数や経由して購入された金額によって成果報酬を得ているため、過大な効能効果を表示していることがあります。

    機能性表示食品を購入する際には、ご自身でも届出られた機能性を確認するようにしましょう。

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