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食品

口の中にスプレーする食品で新型コロナウイルスへの効能効果をうたえるの?

2022年9月9日掲載

  • 口の中にスプレーすると新型コロナウィルスに効果が得られるような商品の広告を見かけました。食品成分でできているとのことですが、問題ではないでしょうか?
  •  当該商品は、口の中にスプレーして用いるものであり、広告には「食品成分だから安心安全」としたうえで、広告全体に亘り、口腔内にスプレーすることにより口腔内のウイルスや細菌を除去し、歯周病、歯肉炎、口臭、虫歯等の予防改善、喉や歯の炎症抑制、新型コロナウイルスの罹患や重症化を防ぐ効果が得られるかのように表示していました。
     広告主に照会したところ、当該商品は医薬品ではないとの回答でした。
     医薬品でないにもかかわらず、医薬品的な効能効果を標ぼうすることは承認前の医薬品等の広告を禁止する医薬品医療機器等法第68条に抵触するおそれがあります。また、これらの表示に裏付けとなる合理的な根拠を有していない場合は、優良誤認表示を禁止する景品表示法第5条第1号、および食品の誇大表示を禁止する健康増進法第65条第1項にも抵触するおそれがあります。

     また、「さまざまなウイルス・細菌を1分以内に除去します(○○大学エビデンス有り)」、「口内細菌の99.99%を抗菌・除菌します。」と表示されていました。広告主からは、○○大学による実験結果が提出されましたが、当該商品はヒトの口内にスプレーする商品であるにもかかわらず、同様の使用方法で行われた試験ではありませんでした。また、もうひとつの試験は、当該商品を用いたものではありませんでした。
     景品表示法では、合理的根拠は「表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること」が求められるため、試験には本商品を用い、本商品の使用方法と同様にヒトの口内にスプレーした場合の試験結果を保有するべきです。当機構に合理的根拠の検証機能はありませんが、今回提出された資料が表示の根拠と認められない場合には、優良誤認表示として景品表示法第5条第1号および食品の誇大表示を禁止する健康増進法第65条第1項にも抵触するおそれがあることを指摘しました。

     さらに、特定商取引法では、通信販売の広告において「著しく事実に相違する表示、又は実際のものより著しく優良であり、または有利であると誤認させるような表示」を禁止しています。販売サイト上の景品表示法の優良誤認のおそれを指摘した箇所は、同法第12条に抵触するおそれがあることも指摘しました。

     なお、消費者庁では、新型コロナウイルス感染症の拡大に乗じ、インターネット広告において、新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品に対し、「新型コロナウイルスに対する予防効果を標ぼうする健康食品の表示に関する改善要請及び一般消費者等への注意喚起について」を度々公表し、表示の適正化について改善要請を行うとともに、SNS等を通じて一般消費者等への注意喚起を行っています。

    新型コロナウイルスに対する予防や治療効果が確認された食品はありません。
    消費者のみなさまも、十分にお気をつけください。

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