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  • 医薬品医療機器等法

食品

医師が健康食品を推薦するのは問題では?

2019年12月26日掲載

  •  テレビCMで、医薬品ではなく栄養機能食品にもかかわらず、聞きなれない病名で危機感をあおる商品があります。開発者の医系大学教授は、インタビューでは白衣ではなくスーツ姿なのですが、他の場面では関係者とともに教授も白衣を着て、医薬品と誤認するような演出が行われています。この行為は、医薬品医療機器等法に抵触しているのではないでしょうか。
  •  医師や薬剤師など医薬関係者が、自ら研究や開発した健康食品のCMに出演して推薦しても、直ちに医薬品医療機器等法に違反するわけではありません。出演して医薬品的な効能効果を述べた場合は、医薬品医療機器等法に触れることになります。これは医薬関係者などの推薦を規制するのが医薬品等適正広告基準であり、健康食品では同基準は当てはまらないからです。他方、健康食品で医薬品的な効能効果を広告で述べれば医薬品医療機器等法に触れますが、これは医師でも一般人でも同じです。
     A社に照会したところ、「商品Bは健康食品です。ビタミンE、ビタミンB12の含有量が基準内にある栄養機能食品となります」との回答がありました。また、開発者の医系大学教授については「教授の開発した成分を使用した健康食品なので、教授の名を冠した成分名として、配合成分を表記しました。聞きなれない病名は教授が提唱されている呼称です。その病気の予防のため、病気に対する考え方や病気のサインを知っていただくのがCMの趣旨で、その説明のため教授が出演しています。関係者との場面では白衣で出演されていますが、教授の研究室の風景だからです」との回答でした。
     しかしながら、栄養機能食品でうたえるのは食品表示基準で決められた栄養機能であって、それ以外の効能効果は表示できません。病名等を挙げて症状が改善されるかのような表示をするのは、たとえ研究者が言うことが本当であっても、承認前の医薬品として判断され、医薬品医療機器等法に抵触するおそれがあると考えられます。
     広告主には、承認前の医薬品等の広告を禁止する医薬品医療機器等法第68条に抵触するおそれがある旨を指摘した上で、今後は、法に抵触しない適正な表示を行うよう警告しました。

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