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モデルオーディションの広告で合格後の費用の表示がないのは問題では?

2019年7月24日掲載

  •  タレント養成学校A社の雑誌広告に「赤ちゃんモデル大募集」「オーディション無料」と出ていたので、軽い気持ちで自分の子供の写真を撮って応募したところ、一次審査と二次審査に通って合格証書が届きました。ところが、劇団の赤ちゃんモデル部「15万円コース」「25万円コース」の入学案内が同封されており、いずれかを選んで期日までに入金しなければ合格は取り消されるとのことです。驚いて家族と話し合い、「合格は良かったけれど、大金がかかるなら諦めよう」と決まり、その旨A社へ連絡して断りました。
     なお、雑誌広告にその旨の表示はなく、応募してから合格通知が届くまでの間も、A社から合格後の劇団入学や費用については何ら説明がありませんでした。初めから高額な費用がかかると分かっていれば応募しなかったし、結果的に面接のための交通費も無駄でした。応募のきっかけになった雑誌広告に、合格後の劇団入学や費用についての表示がないのは問題ではないでしょうか。
  •  A社に照会したところ、「当該広告は、入学促進というよりも、あくまでも無料オーディションの開催を告知し、オーディションへの応募を促進する目的のものです。また、オーディション参加費が無料なのは真実であり、その旨は広告内に明記しています。苦情内容にあるオーディション通過後の入学に必要な費用に関しては、オーディション募集を目的とした広告内容ではないため、当該広告には必要ないと考えます」との回答がありました。
     しかしながら、広告には無料オーディションの開催告知の一方で、「第○期生研修生募集」との表示があり、合格後についても「オーディション合格者は、3カ月間の研修を行います」「レッスンは日曜・平日昼・夜コースより選択が可能です」などと説明されていたことから、一般消費者に、広告内容について「無料でオーディションを受けて合格したら、費用がかかることなく研修を受けて、モデルとしてデビューできる」と受け取られるものと考えます。
     また、広告には研修との表記はあるものの、劇団の入学に関する説明はなく、しかも高額な入学金等が発生する旨の説明も一切ありませんでした。研修中でも実力に応じてテレビなどに出演できることや出演者へは出演料が支給されるといったメリットばかりでなく、オーディション合格者は劇団への入学が必要であること、入学に当たっては入学金等の費用が発生する旨の説明が必要です。
     今後は消費者の立場から、親切で分かりやすい広告・表示に努めるよう提言しました。

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