JARO 公益社団法人 日本広告審査機構

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定期購入のイメージ
  • 特定商取引法
  • 景品表示法

小売業

定期購入の広告の確認ポイント

2020年2月17日掲載

  • インターネットで「初回購入500円」との広告を見て1度限りの契約だと思い健康食品を購入したところ、定期購入になっていました。解約したいのですがどうしたら良いでしょうか。
  •  まず、購入元に解約の連絡をするべきです。ただし、購入時の広告に解約条件が書かれていて、何か月かの初期契約は解約できなかったり、解約条件が複雑なこともありえます。その確認をされていないのなら、確認をしたうえで連絡をしてください。
     JAROの行う業務は広告表示の適正化なので、このような相談が来てもトラブル自体には関与できません。実際の広告表示が確認できて、その表示が不適正と思われる場合、広告表示の主体者に適正な表示に努めるようお願いをします。

     通信販売の定期購入のケースでは、特定商取引法が改正されてから「何回の定期購入で総額はいくら」と広告内に書かれていることが多くなっています。それを消費者側が気が付かないことが多いのです。広告主が意識的に気が付かせないように表記してある場合は、行政でも法令違反として指導やあっせん解決などをすることができますが、消費者側に問題があるのでは難しいことになります。

     定期購入と知らずに通信販売で物品を購入してしまうケースが問題になってから4年以上になります。
     国民生活センターが発表したPIO-NET登録分の相談件数の推移でも、2015年度に前年度比3倍以上の5660件に増えてから、2016年にはさらに1万4314件になり、以降高止まりのままです。これまでに行政でも、特定商取引法の一部改正や、景品表示法の誤認表示に当たる表記を厳密化により、消費者トラブルの未然化を図っていますが、現状は消費者側にこの問題への注意喚起が届くのが難しく、それも高止まりの要因の1つになっています。

     昨年末に消費者庁から特定商取引法違反として2件の行政処分が出ました。この2件とも定期購入に絡むもので、表示が非常に分かりづらいものでした。このため「顧客の意に反して通信販売に係る売買契約の申込みをさせようとする行為」をしており「通信販売に係る取引の公正及び購入者の利益が著しく害されるおそれがある」と認定したのです。
    消費者庁ではこの処分とあわせ、同日に消費者に向けての通販広告の注意ポイントを公表しています。
     
    【通販申込前の確認ポイント】
    ・1回限りの購入? 継続的な購入?
    ・継続的な購入の場合、回数は? 解約しないとずっと続く?
     (通販にクーリングオフはありません。解約できる期間・期限を確認しましょう)
    ・継続的な購入の場合、総額や一定期間での支払額は?
    ・支払時期や引渡時期は?
     (継続的な購入の場合、2回目以降の商品は、前回の商品が届いてから何日後に届くか、後払いの場合、商品が届いてから何日以内に支払うのかを確認しましょう)

    【こんなネット通販広告に注意! 知らないうちに継続的な購入に】
    ・「お試し」「初回無料」「モニター募集」「初回特別価格」などとうたっている広告に注意!
    ・購入する前に「自動継続」「〇回以上の継続が必要」などと記載されていないか、契約内容を最後まで確認しましょう
    ・「規約」「返品・特約」といったページも必ず読みましょう。途中で解約する方法など重要事項が記載されています
    ・何度もスクロールが必要。でも「今すぐ手に入れる」のボタンを押すと氏名などの入力場面に飛ばされた画面や、小さい文字で記載された場所に、契約の重要事項が記載されていることもあります

     消費者を意図的に誤認させる広告が広まるのは、広告全体の信用に対して問題といえます。また消費者側も通信販売で物品を購入する際に、これらの注意ポイントを確認して、トラブルのない買い物をしたいものです。

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