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除菌スプレーのイメージ
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化粧品・医薬品・美容健康用具

除菌スプレーを吹きかけるだけで「菌を99%除去」とうたえるの?

2020年11月11日掲載

  • 除菌スプレーのテレビCMを見ました。このCM中で女性が「ウイルスにかからないか心配」などと言っていて、さも当該商品にウイルス除去効果があるように謳っています。ホームページを見たところ、この商品には銀やシリカが配合されているようですが、本当にウイルス除去効果があるのか疑問です。さらにCM中で紹介している使用方法は1スプレー分を物に吹きかけるだけであり、拭きとったり浸したりはしていません。そのような方法で本当にウイルス除去の効果があるとは思えません。今の時期、皆が新型コロナウイルスに感染することを心配していると思います。問題ではないですか。
  •  苦情申し立てを受けてJAROから商品を販売しているA社に照会したところ、当該商品は雑貨であり、医薬品・医薬部外品ではないとの回答でした。そのため、特定ウイルスに効果があるとはCM中では言っていないし、殺菌や消毒とも言っていないということでした。また、除菌や抗菌についてはCM内で言っていますが、エビデンスも持っており、根拠のない表現ではないという回答でした。
     医薬品医療機器等法では、身の回り品の除菌・抗菌については、医薬品等ではなく雑貨であっても広告して問題とはなりません。また、その効果に根拠を持っていなければ優良誤認として景品表示法に抵触するおそれがありますが、広告主はエビデンスを持っていると言います。
     JAROには検証能力はありませんが、このA社からいただいたエビデンスをみると、効果の実証方法が気になりました。当該CMでは「一吹きするだけで雑菌を99%除去」とアナウンスし、さらに画面に「99%以上除去!」と大きく文字を表示していました。しかしいただいたエビデンスでは「試料をそれぞれ滅菌シャーレに入れたペーパーDiskに10プッシュ添加した」とあり、この試験はシャーレの中で当該商品に菌を浸した状態で行われたものでした。CMで紹介されている「エレベーター、トイレ、マスク、買い物かご、つり革」などにワンプッシュする、という使用方法で行われた試験は資料にはありません。景品表示法では、合理的根拠は「表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること」が求められるので、CMと同様の使用方法での除菌効果試験の結果を保有するべきなのではと思われます。A社には、今回提出された資料が、CMで推奨された使用方法で、物への99%以上の菌を除去する根拠となり得ない場合には、景品表示法に抵触するおそれがあることを伝えました。
     このCMで「ウイルス」と言ったのは一度だけで、効果についても除菌をいうのみでした。しかし視聴者は新型コロナウイルスと関連づけてご意見を寄せられます。多くの人が感染への不安を持つ中で、便乗ではないかとの広告へのご意見がJAROにも多く寄せられますが、これもその一例といえるでしょう。

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