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マスクで「ウイルス、花粉を99.99パーセントカット」「PM2.5対策」とうたえるの?

2019年7月24日掲載

  •  「ウイルス、花粉を99.99パーセントカット」、「PM2.5対策」というマスクの表示を見かけました。事実であれば買いたいと思いますが、表示に問題はないのでしょうか?
  •  インフルエンザや花粉等を防ぐ目的でマスクしている人がたくさんいます。マスクの性能や効果については、商品パッケージや広告に適正な表示をするために、全国マスク工業会の「マスクの表示・広告自主基準」が定められています。

     基準では、医薬品医療機器等法に抵触せずに、また消費者に誤認されない表示をするために、「インフルエンザウイルスをカット」「花粉症を予防」など、病名や病原菌の名前を挙げて、病気の予防などをうたうことが禁止されています。また、フィルターが浮遊物などをキャッチする捕集性能を表示する場合は、それがフィルター部分の性能であってマスク全体の性能ではないことを明確にすることとされています。捕集効率を数値表示する場合には、試験方法や試験機関などの根拠を表示し、その際の数値表記は「99パーセント」との表示にし、「99.99パーセント」等の99パーセントを超える表記は不可とされました。数値をうたわずに「○○ガード」「○○ブロック」などと表示する場合には、例えば「ウイルス飛沫をガード」等「ウイルス」を含む「飛沫」が捕集の対象物であることを明確にし、商品パッケージには前面に「マスクは感染を完全に防ぐものではありません」と記載することとしています。マスクはそもそも「咳エチケット」と言われるように、第一義の目的は、自分の咳やくしゃみの飛沫が他人に届かないようにする商品なので、「マスクだけで病気の予防はできない。清潔な生活の中で、正しく使ってほしい」と同工業会では話しています。

     また「PM2.5対策」「気になる大気汚染にも」などとうたうマスクも見かけます。「PM2.5」は直径2.5μm(マイクロメートル)以下の微小粒子状物質を意味します。燃焼によるばい煙や車の排気ガス中の物質の化学反応などが原因で発生し、肺に吸い込むと呼吸器系疾患を引き起こすリスクがあるため、行政機関から注意喚起がされています。マスクは、顔にぴったりと密着するものではなく、ある程度の隙間ができるため、大気中に浮遊するPM2.5の吸入を完全に防ぐことはできません。

     日本衛生材料工業連合会の全国マスク工業会では、「家庭用マスクは、風邪・ウイルス飛沫対策、花粉対策、塵、ほこり対策、防寒などの使用を目的としており、空気中に浮遊する2.5μm以下といった微小粒子の吸入を防ぐことを目的には作られていない。風邪・ウイルス飛沫対策の家庭用マスクには、2.5μm以下の微小粒子をカットする性能のフィルターを採用しているものもありますが、マスクの構造上、必ずしも顔と完全に密着するものではなく、着用時の性能を保証するものではありません」と説明しています。

     消費者が商品選択をするに当たり、完全に防御できると誤認するような広告・表示は問題があると考えられます。

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