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美容液の写真(イメージ)
  • 医薬品医療機器等法
  • 景品表示法

化粧品・医薬品・美容健康用具

「美容エキスが3万パーセント」の表示は問題では?

2019年12月24日掲載

  •  化粧品のカタログに、「使ってすぐ顔が変わるスキンケアです」と表示され、「全体のハリ」「目元アップ」「頬アップ」「口元アップ」など、美容液を塗って乾くまで手で頬を持ち上げれば、すぐにリフトアップする効果があるかのような表現が、使用前・後の写真とともに記載されていました。また、「しわ、たるみ、しみ、くすみなどあらゆる肌悩みに働き掛け、驚きの変化をもたらします」「あっという間に理想の肌に近づくことができます」とも表示されていましたが、実際に使用してみると、このような効果を実感できません。さらに、「美容エキスがものすごく濃いんです。30,000パーセント」とも表示されていますが、濃度というものは液体の中に含まれている成分の割合の意味であり、100パーセントを超えることはあり得ないのではないでしょうか。
  •  広告主に照会したところ、「薬理的な効能効果についてのビフォー・アフターの写真ではなく、配合される高粘性成分による粘着作用での表情の違いを示しています。しわ、たるみなどの表示については、製品の効能効果の記載ではなく、配合される美容エキスの一般的な役割として記載したものです。濃度は質量モル濃度の倍率です」との回答がありました。

     しかし、化粧品の広告において、「使ってすぐ顔が変わるスキンケアです」「目元アップ」「頬アップ」「口元アップ」「しわ、たるみ、しみ、くすみなどあらゆる肌悩みに働き掛け、驚きの変化をもたらします」などの表示は、化粧品としての効能効果を逸脱した表示に該当するため、いずれも医薬品医療機器等法第66条(誇大広告等)に抵触する恐れがあります。

     さらに、「美容エキスがものすごく濃いんです。30,000パーセント」など、濃度の数値については質量モル濃度に基づくものという説明がなされておらず、適切な説明もなしに極めて大きな数値を強調して表示することは、一般消費者に過度な期待を抱かせる恐れがあり、景品表示法第5条第1号(不当な表示の禁止・優良誤認)に抵触する恐れがあります。また、「あっという間に理想の肌に近づくことができます」の表示は、客観的事実に基づく具体的数値または合理的根拠がない場合、一般消費者に実際のものや競合他社のものより著しく優良であると誤認させることになり、同じく景品表示法第5条第1号に抵触する恐れがあります。

     今後は、法を順守し、適正な広告・表示を行うよう警告しました。

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