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海外事業者が運営するオンライン旅行予約サイトの注意点は?

2019年7月5日掲載

  • 海外事業者が運営するオンライン旅行予約サイトを利用する際に、気を付けることはありますか。

  •  旅行会社の店頭に行かなくても手軽に旅行の予約ができるオンライン旅行取引が普及し、オンライン旅行取引を行う事業者はOTA(OnlineTravelAgent:オンライン旅行取引事業者)と呼ばれています。
     オンラインで旅行予約ができるサイトは大きく分けて4タイプあります。
    ①国内OTA:日本国内に事業拠点を持ち、旅行業法に基づき行政庁に登録している事業者
    ②海外OTA:海外に事業拠点を持ち、海外のサーバーを用いて運営されており、日本国内に事業拠点を持たない事業者
    ③場貸しサイト:宿泊事業者や交通機関、旅行業者等に、旅行商品の紹介・申し込み等に関する情報提供の場としてHPを提供するサイト。申し込みや支払いなどは、消費者と宿泊事業者・交通機関、旅行業者等が直接行う
    ④メタサーチ:旅行情報を一覧で比較できるサイト。申し込みや支払いは消費者と宿泊事業者や交通機関、旅行業者等が直接行う
     このうち①国内OTAは、旅行業務取り扱い管理者の選任義務や営業保証金の供託義務等、消費者保護の義務が課せられています。一方②海外OTAは観光庁の登録を受けておらず、旅行業法の適用対象外と考えられます。③場貸しサイト④メタサーチの運営事業者も、運営自体は旅行業に当たらない場合があります。
     観光庁はウェブサイトにおける表示の適正化をはかるため「オンライン旅行取引の表示等に関するガイドライン(OTAガイドライン)」を定め、以下の事項について分かりやすく表示することを求めています。
    1.OTA等に関する基本情報(1)名称(2)住所(3)代表者等の氏名(4)旅行業登録の有無
    2.問い合わせ先に関する事項(1)問い合わせ連絡先(電話番号、メールアドレス等)(2)受付可能時間(3)問い合わせ受付可能言語
    3.契約条件に関する事項(1)契約当事者、契約形態(2)運送等サービスの内容(3)旅行代金額、支払い方法(4)キャンセル条件(5)その他の契約条項(約款)(6)最終確認画面(7)契約成立時期
    4.契約内容確認画面等

     特に近年、海外OTAのテレビCMがさかんに流され、海外のホテルも気軽にネット予約できることから利用者が増加している一方、トラブルの相談も増えています。

    事例1:海外事業者が運営するオンライン旅行予約サイトで、海外のホテルのアッパーレベルの部屋を予約しました。ホテルに行くとロアーレベルの部屋しか空いていないと言われ、浴槽のない部屋に泊まらざるを得ませんでした。サイト運営者に苦情を言ったところ「利用規約内に『表示の正確性を保証するものではなく、責任を負わない』と明記している」との回答でした。
    事例2.海外事業者が運営するオンライン旅行予約サイトで旅行の予約、支払いをし、予約確定メールも届きました。それなのに後日「料金表示が間違っていたので追加料金を払うか、キャンセルしてほしい」との連絡がありました。予約サイト側は「利用規約に『表示の誤りがあった場合でもその料金でサービスを提供する義務を負わない』と表示している」の一点張りです。

     いずれのケースも利用規約の中に免責事項が表示されていたため、この規約どおりに契約が成立していると考えられます。海外OTAの場合、取引の準拠法を外国法と明記している場合が多く、消費者にとって不利な契約であったり、トラブルが発生した場合でも日本の法律をもとに交渉することが難しいのが現状です。消費者は契約前に契約相手や、利用規約を十分に確認する必要があります。

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