2025年1月22日お知らせ消費者向け
公益社団法人日本広告審査機構(JARO)は、学校法人角川ドワンゴ学園と共同で、「N高等学校・S高等学校」(以下、N/S高)および「N中等部」にて「広告苦情、動画にしてみた」コンテストを実施しました。このたび、審査および選考の結果、グランプリおよび優秀賞が決定しました。
※「広告苦情、動画にしてみた」コンテストのリリース(2024年9月10日付)はこちら
JAROから問題のある広告に関して、博報堂及び博報堂DY OneハローZチームより動画制作について講義した後、N/S高・N中等部生徒が「嘘・大げさ・まぎらわしい」広告に注意喚起を促す動画の制作を行いました。コンテストの応募総数は、N/S高が117チーム、N中等部が33チームで、合計150本もの動画の応募がありました。
どの作品も表現力豊かで、大人顔負けの高いクオリティを誇り、審査は難航しました。今回のN/S高・N中等部との課題解決型プロジェクト学習を通じて、審査員の博報堂UNIVERSITY of CREATIVITY ディレクター、須田和博氏は、「広告の見方や映像の意味、伝え方の講義は、現在のメディア環境を生きる若い世代にとって必須の学びであるとし、この体験をきっかけにメディアリテラシーを身に付け、表現力や創造性をさらに磨いていってほしい」とコメントしました。
グランプリには、N/S高から「肌荒れJK」(チーム名:海浜幕張_Aチーム)、「サプリと情報鵜呑みにするな」(同:天王寺_Dチーム)、「まぎらわしい美容広告に気をつけよう」(同:川越ガールズ)の3作品、N中等部からは「小さい文字で、、、」(同:名古屋Aチーム)の1作品が選出されました。また、優秀賞には、N/S高から5作品、N中等部から4作品がそれぞれ選ばれました。
グランプリに選ばれた作品は、JAROの公式SNS(TikTok、YouTube)で、1月22日(水曜日)から順次配信される予定です。中高生が制作した「嘘・大げさ・まぎらわしい」広告に対する注意喚起動画を、ぜひご覧ください。
今回のコラボレーション授業では、まず広告の見方や映像の意味、見てもらえる伝え方についての講義を行い、その後、課題制作を行った。集まった多数の応募作品を見て、N/S高の皆さんの解釈力と表現力の高さに驚かされた。美容やダイエット、ゲームなど非常に身近なモチーフの広告に対して、「これってどうなんだろう?」と気づく視点、その気づいたことを自ら発信して人に伝える体験は、今のメディア環境を生きる皆さんの世代にとって必須な学びであると感じる。そのきっかけとなる講義や課題を提供できたことは、私たち自身にとっても大きな学びとなった。
「肌荒れJK」海浜幕張_Aチーム(左)
肌荒れに悩む女子高生が、毛穴が消えるクレンジングの動画広告を見て商品を購入した。しかし、広告のように毛穴が消えることはなかった。
〈審査員コメント〉
イラストの画力の高さに驚かされた。カットが変わるたびに前のカットの一部が、上辺や左辺に少しだけ見えているというこだわりがWebtoon(ウェブトゥーン)世代の映像表現であると感じた。
「サプリと情報鵜呑みにするな」天王寺_Dチーム(中央)
「1週間で、マイナス10kg!」などとうたうダイエットサプリの広告を見て商品を購入したが、体重は全く減らなかった。主人公は「夢みたいな話はない」と改心する。
〈審査員コメント〉
ペンシルタッチの絵が上手で、吹き出しの中のセリフや効果音の文字など、細かいタイポアニメが効いている。画面構成や音楽の切り替えなどが練り込まれており、映像表現の達者さを感じた。
「まぎらわしい美容広告に気をつけよう」川越ガールズ(右)
広告に「今だけ!○円」と書いてあるので格安で買えるのかと思ったら、定期購入だった。購入ボタンを押す前にどこを確認すべきか、そのポイントを解説。
〈審査員コメント〉
伝えたいメッセージが明確で説得力がある。「ちょっと待って!」という呼びかけに女子が女子の友達に直接、注意と助言をしているようなリアリティがあり、その「身近な声かけ感」が今の世代の映像感覚であると感じた。
中等部の作品は、「映像でメッセージを伝える」ということ自体が初めての方が多かったためか、伝達内容を率直に伝えるものが多かった。私たちの講義から「広告の構造」「映像にはメッセージがある」「見てもらいやすい伝え方のフォーマット」などを学び、それを受けて、素直に映像表現にしてくれたのだと思う。この体験を第一歩として、映像やメディアへのリテラシーを身につけ、表現力や創造性を磨いていってほしい。
「小さい文字で、、、」名古屋Aチーム
ダイエットサプリの広告を見て、口コミが良かったので購入したが「半年契約」であることを見落としていた。どうして気付かなかったのか、メッセージアプリを使った対話形式で再現する。
〈審査員コメント〉
伝えるべきことを、そのまま伝えるのではなく、表現の中に伝えたいことを巧みに埋め込んでいる点が見事。スマートフォンの画面で映像を見て育った皆さんの世代ならではの発想であると感じた。
グランプリを受賞した4作品が、JAROの公式SNS(TikTok、YouTube)にて、以下のスケジュールで配信されます。なお、配信時間は全て午前11時となります。
作品テーマ:「嘘・大げさ・まぎらわしい」広告に対する注意喚起を促す動画
応募総数 :N/S高117チーム、N中等部33チーム
審査員 :博報堂UNIVERSITY of CREATIVITY、博報堂DY One「ハローZ」、KILIG FACTORY、
日本広告審査機構 「広告苦情、動画にしてみた」プロジェクトチーム
「広告苦情、動画してみた」とは?
JAROを若い世代にもっと知ってもらおうと、Z世代の若者から寄せられた苦情を動画にし、TikTokで投稿しています。この取り組みは、2024年4月に始動した「JARO 50thプロジェクト」※の5つの施策のうちの1つで、広告に対する意見や苦情をJAROに伝えることで「苦情の次世代化」を見据えたものとなっています。
※「JARO 50thプロジェクト」のリリース(2024年4月12日付)はこちら
◇学校法人角川ドワンゴ学園
「N中等部」について
「N高等学校・S高等学校」について
「プロジェクトN」について
※N中等部は学校教育法第一条に定められた中学校ではありません。ご自身の中学校に在籍したままN中等部で学んでいただきます。
◇株式会社博報堂UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)
名称 公益社団法人日本広告審査機構
(英文名 Japan Advertising Review Organization、JARO)
住所 ≪事務局≫ 東京都中央区銀座2-16-7 銀座2丁目松竹ビルANNEX
≪関西事務所≫ 大阪市北区梅田2-5-8 千代田ビル西別館
理事長 西澤 豊(時事通信社顧問)
会員社数 876社(2024年12月現在)
設立 社団法人許可1974年10月15日、公益社団法人認定2011年4月1日