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2020年6月3日お知らせ消費者向け

2019年度の審査状況(HTML版)

2019年度の審査状況(概要)

◇総受付件数12,489件、過去最多を更新
◇業種別:「デジタルコンテンツ等」「健康食品」が大きく増加
◇媒体別:「インターネット」が「テレビ」超え、初のトップ
◇見解:34件中、アフィリエイトサイトが関わるもの18件
◇2019年度のトピックス
 ①媒体「インターネット」の急増、②止まらない定期購入に関する苦情
 ③新型コロナウイルス関連の広告への苦情

2019年度の審査状況

総受付件数12,489件、過去最多を更新

2019年度(2019年4月~2020年3月)の総受付件数は、過去最多の12,489件(前年度比113.0%)となった。内訳は、苦情9,324件、照会2,074件、称賛12件、JARO関連125件、広告以外954件で、称賛以外は前年度を上回った。
特に伸びているのは、オンライン(JAROウェブサイト上の「広告みんなの声送信フォーム」)で受け付けた苦情で、近年は2桁増が続いて総受付件数を押し上げている。インターネット上の広告はユーザーによって表示されるものが異なるため、事務局が広告を確認するにはスクリーンショットの送付が重要であることから、2019年7月に送信フォームを一新し、添付機能の拡大や入力の利便性を図ったところである。こうした対応もあり、苦情9,324件のうちオンライン経由は6,718件(同124.1%)と、苦情の7割以上を占めた。

総受付件数の表。前年度は苦情8386件、照会1669件、称賛36件、JARO関連83件、広告以外877件、計11051件。前年度比では苦情111.2パーセント、照会124.3パーセント、称賛33.3パーセント、JARO関連150.6パーセント、広告以外108.8パーセント。

消費者属性:多くの年代で増加、特に若年男性は4割増

総受付件数12,489件のうち、消費者からのものは10,283件で全体の82.3%(前年度9,295件、110.6%)を占め、60代および年代不明を除く多くの年代で増加した。
年代・性別で20%以上増加したのは、「10代男性」147.6%、「20代男性」143.4%、「20代全体」120.4%、「50代女性」121.6%、「70代以上女性」123.7%で、若年男性が増えている。平均年齢(10~70代の各年代と件数を掛けた合計を件数で割ったもの)は40.3歳で、受付経路別では「電話・FAX等」49.2歳、「オンライン」37.5歳で、およそ12歳の差がある。
性別は、男性64.8%、女性34.3%(前年度63.0%、35.9%)で例年と変わらないが、近年、女性の割合が逓増している。

消費者の内訳。10代200件、20代928件、30代2314件、40代2750件、50代1942件、60代918件、70代以上424件、不明807件、計10283件。男性6663件、女性3529件、不明91件。

業種別:「デジタルコンテンツ等」「健康食品」が大きく増加

苦情9,324件を業種別にみると、多かったのは「デジタルコンテンツ等」「健康食品」「自動車」「化粧品」「外食」で、特に「デジタルコンテンツ等」と「健康食品」の増加(187件、250件)が目立った。
「デジタルコンテンツ等」は855件中268件がスマートフォン用ゲームアプリである。「広告とゲーム内容が異なる」というものが多く寄せられたほか、「卑わいな広告表現が不快」という苦情も多かった。
「健康食品」については、定期購入契約で販売する数社に苦情が集中し、件数が大きく増加した。「痩身等の効果が得られない」「定期購入だと分からなかった」「解約の電話がつながらない」という苦情が目立った。「化粧品」では、テレビCMで、「前半と後半の出演者が異なるのに、まるで使用前後の効果を表現しているかのように見える」との苦情が複数寄せられた。

苦情の業種別件数の表。1位デジタルコンテンツ等855件、2位健康食品770件、3位自動車344件、4位化粧品324件、5位外食302件。

媒体別:「インターネット」が「テレビ」超え、初のトップ

苦情の媒体別では、「インターネット」4,048件、「テレビ」3,961件と僅差で「インターネット」が上回り、初の1位となった。この要因としては、苦情が集中するテレビCMが2019年度は相対的に少なかったこと、「インターネット」はオンライン経由でより多く寄せられるところ、ウェブサイトの送信フォーム改修によって受付件数がさらに増加したこと(オンライン受付は2018年度2,211件、2019年度3,389件と1.5倍)、そして広告費においてもインターネットが増加していることが挙げられる。
両媒体の内訳を見ると、「インターネット」は、「デジタルコンテンツ等」643件、「健康食品」536件、「化粧品」230件など、「テレビ」は前年度を下回るものが多いが、上位は「住居関連機器」242件、「デジタルコンテンツ等」198件、「健康食品」186件などであった。

苦情の媒体別件数。1位インターネット4048件、2位テレビ3961件、3位ラジオ305件、4位店頭245件、5位新聞239件。

内容別:「表示」への苦情が大幅増

JAROに寄せられる苦情を内容別に見ると、(1)表示、(2)広告表現、(3)広告の手法に分かれる。
(1)表示は、広告・表示が事実と異なる、誤認を招くといった表示に問題があると訴える苦情であり、2019年度は4,963件寄せられた。この割合が高い媒体は「インターネット」2,895件(構成比71.5%)、「店頭」217件(同88.6%)、「チラシ」198件(同84.6%)、「折込」168件(同91.3%)など、業種は「健康食品」500件(同64.9%)、「通信販売業」216件(同79.1%)、「化粧品」213件(同65.7%)、「外食」211件(同69,9%)などだった。「表示」の内訳で見ると、「価格・取引条件等」は前年度比150.1%、「品質・規格等」は同184.3%と大きく増加した。
(2)広告表現は、広告の描き方に関する苦情で3,624件(同3,945件)寄せられた。広告表現の割合が高いのは、媒体別では「テレビ」2,522件(同63.7%)、「ラジオ」148件(同48.5%)など、業種別では「デジタルコンテンツ等」342件(同40.0%)、「住居関連備品機器」231件(同92.8%)などだった。
(3)広告の手法は、CMの音量、広告頻度、広告であることが不明瞭、迷惑な露出方法などであり、737件寄せられた。表示や表現に比べて件数は少ないが、相対的に多い媒体は「ラジオ」39件(同12.8%)、「交通」10件(同10.0%)、「屋外」19件(同20.4%)など、業種では「デジタルコンテンツ等」92件(同10.8%)、「買取・売買」22件(同12.3%)などの割合が高かった。

苦情内容別件数の表。表示4963件、広告表現3624件、広告の手法737件、計9324件。表示は細目に分かれ、価格・取引条件等2265件、品質・規格等1696件、その他1002件がある。
苦情内容別の円グラフ。表示が過半数。

見解:34件中、アフィリエイトサイト(※3)が関わるもの18件

業務委員会で審議し「見解」を発信したのは34件で、内訳は警告31件、要望2件、提言1件(前年度はそれぞれ21件、3件、2件の計26件)であった。見解の対象となったのは「健康食品」が17件(前年度8件)と倍増、「化粧品」8件(同6件)、「医薬部外品」「医療機関」各2件、その他は「書籍」「衣類」「電気製品」「エステティックサービス」「医薬品」各1件だった。媒体については「インターネット」が見解34件中28件(前年度14件)に上り、同媒体の過去最多件数となった。見解対象となった「インターネット」には、ニュースサイトやSNSのインフィード広告、アプリ内バナー広告、企業のSNS公式アカウントの投稿、通販モール、アフィリエイトサイト、自社通販サイトなどがあった。その他の媒体は「テレビ」3件、「新聞」「パンフレット」「雑誌」「店頭」各1件だった。
※3 広告主の依頼を受けてアフィリエイターや広告会社等が制作・運用する成果報酬型の広告。

2019年度の警告一覧 ( )内は媒体(1)ニュースアプリのインフィード広告で、着用するだけで脚が短期間で劇的に細くなるような表現をした加圧レギンス(インターネット〈バナー、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(2)糖尿病に効果があるかのようなナレーションや体験談をうたったサプリメント(テレビ)
(3)「1週間で10kg以上体重が減少したら使用を控えてください」など劇的な痩身効果があるかのように標ぼうしたサプリメント(インターネット〈メールマガジン、自社通販サイト〉)
(4)「食べたことがなかったことに」とうたい、ラーメンと当該商品をミキサーにかけると透明な水に変化する動画を表示したサプリメント(インターネット〈SNSインフィード動画、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(5)食べても太れなくなるとの文言や1カ月で10kg痩せたとする体験談などを表示したサプリメント(インターネット〈アフィリエイトサイト〉)
(6)食べても太れない衝撃的なダイエットなどとうたったサプリメント(インターネット〈アフィリエイトサイト〉)
(7)麹がダイエットに著しい効果があるかのようにうたったサプリメント(インターネット〈アフィリエイトサイト〉)
(8)タレントがテレビ番組で絶賛したとうたう化粧品の美容液(インターネット〈アフィリエイトサイト〉)
(9)「30日間解約保証」と表示されていたが、実際は4回の定期購入契約で解約が困難なサプリメント(インターネット〈ニュースアプリのインフィード広告、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(10)抗酸化力などの効能や世界特許製法などとうたったケイ素を含んだ飲料(インターネット〈自社通販サイト〉)
(11)麹が脂肪の原因を分解するなどとうたったサプリメント(インターネット〈SNSインフィード、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(12)塗るだけでシミが消える、厚生労働省認可などとうたった医薬部外品のクリーム(インターネット〈ニュースサイトインフィード、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(13) 比較サイトで1位とされた商品のリンク先販売サイトで、デブ菌やヤセ菌などと表示されたサプリメント(インターネット〈ニュースサイトバナー、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(14) 比較サイトで1位とされた商品のリンク先販売サイトで、デブ菌やヤセ菌などと表示されたサプリメント(インターネット〈ニュースサイトバナー、アフィリエイトサイト〉)
(15)全身脱毛月々○○円と表示し、誤認させる総額表示をした医療機関(テレビ)
(16)医療機器でないにもかかわらず病原菌名を表示していた空気清浄機(パンフレット)
(17)塗るだけで歯が白くなるかのようにうたった歯磨き用ジェル(インターネット〈ニュースサイトバナー、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(18)解約保証付きとうたいながら解約できない定期購入のサプリメント(インターネット〈自社通販サイト〉)
(19)ほぼ全員髪が生える、厚生労働省が認可などとうたった医薬部外品の育毛剤(インターネット〈掲示板アプリインフィード、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(20)ビフォーアフターの写真を使いアトピー性皮膚炎が改善するかのような表示をした基礎化粧品(インターネット〈リスティング広告、自社通販サイト〉)
(21)送料のみ負担と表示しているが4回以上の縛りがある定期購入契約のニキビ洗顔料(インターネット〈自社通販サイト〉)
(22)男性ホルモンに働き掛けてヒゲが生えにくくなるかのように表示した化粧品(インターネット〈ニュースサイトインフィード、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(23)「医学雑誌に掲載された」「ヒト幹細胞を使用している」と表示している化粧品(インターネット〈ニュースサイトバナー、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(24)「寝ている間も痩せる」「痩せ体質にシフト」などとうたった健康食品(インターネット〈動画共有サイトの動画アフィリエイト広告、自社通販サイト〉)
(25)血管病などと医薬品のような表示をしている栄養機能食品(テレビ)
(26)「ロスデライン豊胸・豊尻」「「痛みやダウンタイムもなく」等の表示をし、必要表示事項お記載がない美容外科医院(雑誌)
(27)子どもの背が伸びるかのようにうたった健康食品(インターネット〈ニュースサイトインフィード広告、アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(28)血液中の糖分をエネルギーに変換する力があるなどとうたった田七人参使用の健康食品(インターネット〈アフィリエイトサイト、自社通販サイト〉)
(29)ドラッグストア店内の商品近くに置かれたチラシに良質な睡眠が得られるかのように表示した健康食品(店頭〈チラシ、音声〉、インターネット〈ドラッグストア通販サイト〉)
(30)シミに効果があるかのようにうたった化粧品(インターネット〈通販モール〉)
(31)シミに効果があるかのようにうたった化粧品(インターネット〈自社通販サイト〉)

2019年度のトピックス

●媒体「インターネット」の急増

2019年度の媒体別件数は、初めて「インターネット」が1位となり、2009年度以来続いていた1位「テレビ」、2位「インターネット」の順位が逆転した。3月に電通の「2019年日本の広告費」においてインターネット広告費がテレビ広告費を超え、初めてトップになったことが公表されたが、JAROが受け付けた苦情件数においても同様の状況となった。
見解についても、対象媒体1位が「インターネット」という状況が続いており、2019年度は見解34件中28件と8割にも上った。そのうち、悪質なアフィリエイトプログラム(広告主の依頼を受けてアフィリエイターや広告会社等が制作・運用する成果報酬型の広告)が関わった事例は18件あり、①広告(ニュースサイトやSNSのインフィード広告が多い)、②アフィリエイトサイト、③広告主の自社通販サイトの順でリンクしたものが目立った。また、アフィリエイトサイトにはASPのほか、ウェブサイト制作会社、広告会社などが関わるものもあり、警告を発信した何件かは、広告会社等が共通しているものも見られた。インターネット上の悪質な表示は数も多く、他団体や会員企業などとも協力して取り組みを進めたいと考えている。

テレビとインターネットの苦情件数推移の折れ線グラフ。

●止まらない定期購入に関する苦情

定期購入に関する苦情は、前年度98件から234件に大幅に増加した。「健康食品」「化粧品」「医薬部外品」など美容・健康系商材が多い。2017年12月に特定商取引法施行規則が改正され、広告には「定期購入である旨」「契約期間」「総額」等が表示されるようになったが、改正後は、「よく見ると定期購入だと書かれているが、分かりにくい場所にある」「全額返金保証などとうたっているのに広告に記載のない条件があった」などと苦情内容が変わり、件数も減少が見られない。
前述の警告31件のうち、14件が定期購入契約の事例である。(上記警告一覧の2、5、6、7、8、9、11、12、13、14、17、18、19、21)

定期購入の対象商品の表。健康食品143件、化粧品54件、医薬部外品20件が多い。

●新型コロナウイルス関連の広告への苦情

新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、企業活動や消費生活にも影響が表れ、これに関連する苦情が徐々に寄せられるようになった。新型コロナウイルスとの関連が把握できた苦情は、2020年1月下旬から寄せられており、3月31日までの間に118件寄せられた。広告・表示規制上問題となるおそれがある「表示に関するもの」は50件、不適切などとする「広告表現に関するもの」が68件あった。
前者については、便乗と思われるもの20件、効果をうたうもの17件などが多かった(複数の問題がある苦情もある)。また、流通や生産事情から欠品・遅延するケースが多かったと思うが、中にはおとりが疑われるものも見られた。対象商品・サービスでは除菌関連商品16件、マスク15件などが目立った。

新型コロナウイルス関連広告の苦情件数の表。表示は1月0件、2月13件、3月37件、広告表現は1月2件、2月15件、3月51件。
件数推移のグラフ。3月に急増している。

【参考】

◆[2020年1月~3月]新型コロナウイルス関連広告の苦情レポート

◆PDF版 2019年度の審査概況